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2021/04/05
コラム

【不動産ポータル】SUUMOは今後も業界トップ?LIFUL HOME’S、at home、スマイティも交えて検証

2021年以降のネット不動産業界の勢力図はどうなる?今後もSUUMOがトップ?

賃貸物件などに関する情報を手軽に検索できる不動産ポータルサイトの代表格と言えばSUUMO、LIFUL HOME’Sですが、他にもオウンドメディアを使って集客を行っている不動産会社は複数存在します。

本稿では、競合分析ツール「SE Ranking」を使ってGoogleのモバイルを対象とした評価で得られた定量的なデータをもとに、2021年以降にネット不動産業界の勢力図はどうなるのか、解説いたします。SUUMOやHOME’Sのような大手が今後もトップを走り続けるのか、あるいはその他のサイトが勝ち上がってくるのかについて、分析して参ります。

なお、本稿で用いるデータは調査日時点で得られたもので、調査対象のサイトは以下の4サイトです。

<調査日>

2021/3/18

<今回の調査サイト>

  • SUUMO

     

  • LIFUL HOME’S

     

  • at home

     

  • スマイティ

     

<調査サイトの各種数値一覧>

今回の調査サイトの中では、SUUMOが抜きん出て高いオーガニックトラフィックを誇っています。さらに、ページトラスト・被リンク数に関しても頭ひとつ抜けています。

しかし、HOME’Sは有料トラフィック・オーガニックキーワードでSUUMOを凌いでいます。

<用語説明>

  • ・ドメイントラスト/ページトラスト…参照ドメイン、被リンクに基づいて算出されるSE Ranking独自開発のスコア
  • ・オーガニックトラフィック…広告表示を除いた、純粋な検索結果からのサイトへのアクセス数
  • ・オーガニックキーワード…オーガニック検索で掲載されているキーワード数
  • ・有料トラフィック…有料広告経由でのサイトへのアクセス数
  • ・有料キーワード…調査対象のサイトが有料広告で掲載しているキーワード数
  • ・参照ドメイン…調査対象のサイトへのリンクを掲載しているドメインの総数
  • ・被リンク…調査対象サイトが受けた被リンクの総数
  • ・1K…1,000
  • ・1M…100万

データから判明したネット不動産の大手3サイトとは?大手以外の特徴的なサイトも選出

そもそも「不動産ポータルサイト業界の大手」の定義についてはっきりさせるために、調査着手の時点で、最大手と思われるSUUMOを基準にしてSE Rankingを使った競合調査を実施しました。

その結果、算出されたオーガニック競合の結果は以下の通りです。

オーガニック検索競合分布では、不動産ポータルサイトとしてはSUUMOの他にもHOME’S、at homeなど、有名どころが浮上しました。

一方で「食べログ」「ナビタイム」など、一見不動産とは関係のないポータルサイトもSUUMOの競合サイトとして算出されました。この理由として、ユーザーが物件関連の情報「地名 + キーワード」などのローカル検索を行った結果、流入がバッティングしてしまった可能性があるというのが、現時点での推測です。

それを踏まえると、現状ではSUUMO、HOME’S、at homeの3サイトを不動産ポータルサイトにおける大手と定義して良さそうです。

また、有料検索競合分布では、スマイティやオープンハウスなどの企業も浮上してきました。本稿では、より多角的な分析を行うため、上記3社に加え、スマイティも調査対象に含めています。

以下より、それぞれのポータルサイトの定量的な情報について紹介します。

SUUMOはオーガニックトラフィックが業界トップ

サイト規模

  • ・オーガニックトラフィック数…7.4M
  • ・有料トラフィック数…274.5M

 

SUUMOは、オーガニックトラフィックの数値が競合中最も多く、ページトラスト、被リンク数に至っては抜きん出た評価を獲得しています。トラフィック数は数年にわたって安定しており、特に2020年10月より、オーガニック検索でのユーザーの流入数がさらに伸びています。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

SUUMOのオーガニック流入で上位を占めるキーワードは、3月との季節柄もあってか「引っ越し」に関係するキーワードが多くなっています。SUUMOは、有料広告キーワードでも引っ越し関係が多いため、シーズンのニーズを踏まえたターゲティングしているのが見て取れます。

トラフィック数が多いページに関しては、オーガニックトラフィック・有料トラフィックのどちらも、賃貸物件検索ページが占める割合が多いのが印象的です。

HOME’Sは有料トラフィックでSUUMOに勝る

サイト規模

  • ・オーガニックトラフィック数…4.9M
  • ・有料トラフィック数…332.6K

 

HOME’Sは、オーガニックトラフィックではSUUMOに及ばないものの、オーガニックキーワードでは勝っています。有料トラフィックの数値は競合の中で一番大きく、検索広告に相当な予算を投じているとわかります。昨年10月頃から流入数が伸びているのも同様です。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

HOME’Sのオーガニック流入でトップを占めるキーワードのうち、指名検索や賃貸関連のもの以外にも「固定資産税」というキーワードが目につきます。これは、3月という時期が関係していると予想され、個人事業主の不動産投資家などが確定申告に向けて検索した結果でしょう。

HOME’Sは有料広告に対しても予算を多く投下しており、賃貸物件を探しているユーザー以外にも、不動産投資家向けの広告も出すなど、幅広い層をターゲティングしています。

オーガニック・有料広告ともにトラフィック数が多いページは、ポータルサイトトップページ以外にも、賃貸物件検索ページ、不動産に関するSEOコンテンツのページなど、満遍ない流入があります。

at homeは有料広告の数が圧倒的に少ない

サイト規模

  • ・オーガニックトラフィック数…2.5M
  • ・有料トラフィック数…187K

 

at homeは、HOME’S・SUUMOに比べるとトラフィック数の面で先を譲っているとわかります。特に、有料トラフィック数の差は歴然で、その数値はHOME’Sの約6%以下と、あまり有料の検索広告には予算を投じていないようです。

トラフィック数の推移に関しては、前2社と同様に安定しており、2020年12月から2021年月の期間でやや下降したものの、その後は上昇傾向にあります。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

at homeのオーガニックトラフィック数が多いキーワードには「マンション」「中古マンション」など、不動産投資家向けと思わしきキーワードが散見されます。実際に、遷移先のページを見てみると、投資用物件が並んだページが表示されました。

マンション関係のキーワードは、有料広告キーワードでもトラフィック数の上位にいくつか昇っていますが、こちらは繊維先が物件検索ページとなっています。

スマイティはオーガニックでの流入がほとんどないが、有料広告はトップ2サイト並

サイト規模

  • ・オーガニックトラフィック数…584.4K
  • ・有料トラフィック数…96.6K

 

スマイティはオーガニックでのトラフィック数が少なく、記事コンテンツの数も前3社に比べると多くありません。しかし、有料広告に多くの予算を投じており、有料トラフィック数は不動産ポータルサイト業界ではSUUMO、HOME’Sに次ぐ数値で、at home以上の予算を投じています。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

スマイティはトラフィック数が多いオーガニックキーワードは、不動産ポータルサイトとしてはオーソドックスで、遷移先も物件情報に関するページが大半です。有料トラフィックに関しても似た状況ですが東京・福岡・大阪など、よりエリアを絞ったキーワードでの流入が見られます。

実際に各サイトも閲覧し、見えてきた特徴・マーケティング施策とは?

SUUMOはSEO記事で多くの被リンクを獲得している

SUUMOは、2020年12月時点での東京商工リサーチ調べで、不動産ポータルサイトが掲載する物件の数が日本トップだったと判明しており、ポータルサイトトップでも「物件数No.1」と謳っています。

また、SUUMOはSE Rankingで算出されるページトラストが79と、他の競合サイトに比べて極めて高いの特徴です。

他の競合不動産ポータルサイトのページトラストを見てみると、HOME’Sが43、at homeが45でしたので、非常に大きい数値と言えます。

SE Rankingにおけるページトラストは、Webサイトの被リンクをの質と数をもとにして計測されます。SUUMOの被リンクの総数は357.6Mと、HOME’Sの23.2M、12.7Mと比較すると、桁違いの数値です。

被リンク数が多い理由として、SUUMOのオウンドメディア「SUUMOジャーナル」で公開された記事をニュースサイトで告知する施策が功を奏したと考えられます。

SUUMOジャーナルに掲載された記事は、Yahoo!ニュースやlivedoorニュースといったメディアでも掲載されます。

さらに、SUUMOジャーナルには外部の寄稿者が執筆した記事も記名で掲載しているという特徴もあります。そのため、記事を執筆した個人、あるいは団体が該当記事をリンク付きで告知する可能性は高いはずです。

上記ふたつは、オーガニックトラフィックがSUUMOに次いで多いHOME’Sでは見られない特色です。そのため、SUUMOジャーナルの大元であるSUUMOのポータルサイトの被リンク数が極めて多い理由として、確度の高いものだと言えるのではないでしょうか。

なお、SUUMOは「不動産情報サイト事業者連絡協議会」に加入しており、不動産ポータルサイトとしての権威性がさらに高まっています。

HOME’Sが業界トップのオーガニックキーワード数を誇る理由は“ニッチジャンル”にあり?

HOME’Sはポータルサイト上で取り扱っているコンテンツ領域が幅広くが多く、お役立ち情報から用語集まで、不動産・住宅に関する数多の情報が掲載されています。

HOME’Sでトラフィック数が上昇しているオーガニックキーワードには「ハムスター」「ハリネズミ」など、特徴的な単語も見られます。

ここで実際に「ハムスター 引っ越し」「ハムスター ひとり暮らし」などでGoogle検索を行うと、検索上位にHOME’Sの記事が多く出現しました。しかも、それぞれのキーワードごとにHOME’S内の別の記事が検索上位に来ています。

HOME’S内の「住まいのお役立ち情報」というSEO記事のコンテンツ内で、「ハムスター」と検索すると、6記事が引っ掛かり、最新の記事は2019年に投稿されたものでした。

ちなみに「ハリネズミ」というワードに関しては、HOME’S内の「LIFE LIST」という不動産系とは別カテゴリのコンテンツで、記事がヒットしました。LIFE LISTは「不動産カテゴリ」というよりも「生活カテゴリのコンテンツ」のようです。

以上のことから伺えるのは、HOME’Sのマーケティング施策の幅広さです。「ハムスター」のような、ニッチにも思えるキーワードで作成された過去のコンテンツが、201Kもの流入に繋がっていることから、引っ越しシーズンに発生するスキマの需要を上手く捉えています。

HOME’Sは、「不動産情報サイト事業者連絡協議会」からの承認、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証も受けています。コンテンツ数の多さに加え、権威性も獲得していることから、HOME’Sの業界内での立ち位置は磐石と言えるでしょう。

at homeはユーザビリティの面でトップ2社とは異なる特徴が見られる

at homeは前述の通り、あまり有料広告に予算を投下していないのが特徴です。しかし、ポータルサイトのトップページは前2社よりもさらにスッキリと整えられている印象です。

特に、SUUMO、HOME’S、at homeの3社はそれぞれ専用のiosアプリも開発していますが、ポータルサイト上での専用アプリまでの導線は、at homeが一番わかりやすい印象でした。

at homeでは、アプリへの導線はポータルサイトの上段部分の目立つ位置に設置されているのに対し、SUUMO、HOME’Sでは中段あたりに設けられています。

昨今は、スマートフォンを使って情報を検索するユーザーも大幅に増えていますが、at homeはスマホ用アプリへの導線を特にわかりやすくしている点から、特にスマホユーザーを意識している可能性が考えられるでしょう。

また、公的な機関からの“お墨付き”に関しても、at homeは前2社に比べ、最も多くなっています。<p

SUUMO、HOME’Sと同様の「不動産情報サイト事業者連絡協議会」からの承認に加え、「不動産公正取引協議会賛助会員」への加入、「プライバシーマーク」の取得、独自の情報審査活動の表明をしています。

このようなユーザーからの信頼感の獲得を目指した施策と、前述のポータルサイトそのものの簡便なレイアウトも相まって、at homeはSUUMO、HOME’S以上に、ユーザビリティを意識した施策を重視していると分析できます。

スマイティの施策はカカクコム経由の潤沢な予算が理由か?

オーガニックでのトラフィック数が少ないスマイティは、コンテンツそのものも、大手3サイトに比べると少なくなっています。

スマイティは確認できる限り2016年からSEO記事を公開していますが、掲載コンテンツのジャンルは4種類で、各ジャンルごとに10〜20記事前後、公開記事数は総計100記事にも満たない状態です。やはりこれがオーガニックでの流入が弱い最大の原因でしょうか。

「新着記事」の一覧を確認すると、2017年7月でいったん記事公開がストップし、その後2020年3月に一本だけ記事が公開され、また更新が止まっています。

ちなみに、スマイティの運営母体は「価格.com」「食べログ」なども手がけているカカクコムで、ポータルサイト上でもわかりやすく表明していることから、各種サービスとの連携を前提として作られた可能性があります。

また、スマイティでは、2015年からスマイティ経由で賃貸を見つけたユーザーに1万円のキャッシュバックを行うキャンペーンを継続的に行っているようです。

有料広告に投じている費用がSUUMO、HOME’Sに次ぐ順位であった点も考慮すると、相当な広告宣伝費を使っていることになります。


さらに、大手3サイトがポータルサイト下部で「不動産情報サイト事業者連絡協議会」や「プライバシーマーク付与」について開示しているのに対し、カカクコムが運営母体である点で安心と安全を表明しています。

以上を踏まえると、スマイティはオーガニック検索からの流入よりも「有料検索広告」「価格.com・食べログとの連携」で集客を行う方針と見受けられます。

【結論】不動産ポータルサイト業界では今後もSUUMO・HOME’Sの2強だが、3位以下は変動の可能性が充分あり得る

オーガニックトラフィック数が業界トップのSUUMOですが、指名検索でも強いという特徴があります。SUUMO、HOME’S、at homeの検索規模一位のオーガニックキーワードを見ると、

  • ・SUUMO…「SUUMO 1M」
  • ・HOME’S…「HOME’S 368K」
  • ・at home「at home 741K」

 

と、3社とも指名検索となっていますが、

SUUMOが頭ひとつ抜けています。

SUUMOはコンテンツ更新速度がハイペースで、ページトラストや指名検索の強さも踏まえると、今後もトップを走り続ける可能性が高いと予想されます。

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