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2021/04/07
コラム

【ネット生保】ライフネット生命とアクサダイレクト生命の施策共通点とは?楽天生命、SBI生命、オリックス生命も調査

わずか4社のネット専業生保が採る集客の施策とは?ライフネット生命やアクサダイレクト生命には共通点あり?

ライフネット生命などの、インターネットチャネルのみで集客を行っているネット生保は、実は4社しか存在しません。そこで、今回のレポートでは4つのネット専業生保がどのような施策を行っているのか分析するための調査を実施しました。

さらに、より多角的な考察を行うため、ネットも集客の手段のひとつとして用いる生保として、オリックス生命も調査対象に加えています。

なお、本レポートで用いるデータは、調査日の段階で競合分析ツール「SE Ranking」を使って取得したものです。

 

<調査日>

2021/3/27

<今回の調査サイト>

 

<調査ツール>

 

<調査サイトの各種数値一覧>

 

SE Rankingで得られた各サイトの数値を見てみると、最大手のライフネット生命でも280Kほどと、オーガニックトラフィックが他の業界に比べて少ないように思われます。

また、ページトラストも全体的に低い傾向があり、被リンクの数に関しては、楽天生命だけ飛び抜けて多い状態となっています。

※上記数値は調査日時点のものです。

<用語説明>

・ドメイントラスト/ページトラスト…参照ドメイン、被リンクに基づいて算出されるSE Ranking独自開発のスコア

・オーガニックトラフィック…広告表示を除いた、純粋な検索結果からのサイトへのアクセス数

・オーガニックキーワード…オーガニック検索で掲載されているキーワード数

・有料トラフィック…有料広告経由でのサイトへのアクセス数

・有料キーワード…調査対象のサイトが有料広告で掲載しているキーワード数

・参照ドメイン…調査対象のサイトへのリンクを掲載しているドメインの総数

・被リンク…調査対象サイトが受けた被リンクの総数

・1K…1,000

・1M…100万

ネット生保各社の規模感はどの程度なのか?トラフィックやキーワードに関する調査結果

ネット生保をテーマにした今回の調査では、着手段階ではライフネット生命のみしか決定していませんでした。そこで、さらに調査サイトを明確にするため、JA共済が発表している『生命保険販売におけるインターネットチャネルの現状 』を参照しました。

2019年に調査・作成された同資料によると、2019年の時点でネット専業生保はライフネット生命の他に、楽天生命・アクサダイレクト生命・SBI生命のみとわかりましたので、これらを調査対象として加えています。

本レポートではより多角的な分析を行うため、これら4サイトに加え、インターネットチャネルも利用する生保としてオリックス生命も調査対象としています。

オリックス生命を選んだ理由としては、SE Rankingを使ってライフネット生命で競合調査を実施した際に、有料検索競合分布で最上位の競合として算出されたためです。

ライフネット生命は最大手でドメイントラストも高い数値

サイト規模

・オーガニックトラフィック数…280K

・有料トラフィック数…66.8K

ライフネット生命はネット生保の中で最も高いオーガニックトラフィックを誇り、2021年1月から流入数がさらに上昇しています。ドメイントラスト・有料トラフィックに関しても、今回の調査サイトの中ではトップの数値です。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

ライフネット生命のオーガニックでの流入キーワードは、指名検索以外にも「生命保険」「死亡保険」など、保険会社としてスタンダードな単語が見られます。特に、トラフィックトップ層のキーワードの中では「掛け捨て 生命保険」関連の単語の比率が多くなっているのが特徴です。

有料トラフィックに目を向けても、クリック率の高いキーワードの傾向は概ね同じですが「都民」「神奈川」など、関東圏のローカルキーワードが上位に浮上しています。

オリックス生命は自社商品名で多くの有料広告トラフィックを獲得している

サイト規模

・オーガニックトラフィック数…174.6k

・有料トラフィック数…11.8K

オリックス生命は、インターネット以外にも集客チャネルを持った生保でありがながら、本レポートで調査したサイトの中では、ライフネット生命に次ぐオーガニックトラフィックを獲得しています。特に、2021年2月から3月にかけては、トラフィックの伸びが顕著です。

検索広告に対しても多くの予算を投じていて、オーガニックトラフィックと同様にオリックス生命の次に高い有料トラフィックとなっています。さらに、ドメイントラスに至っては、調査サイト中トップの数値です。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

オリックス生命のオーガニックキーワードでは、指名キーワード入りの検索語句に加え、「ライズサポートプラス」「キュア」など、オリックス生命の保険商品名が上位に来ています。

アクサダイレクト生命は指名でのオーガニック流入が多い

サイト規模

・オーガニックトラフィック数…146.6K

・有料トラフィック数…34.6K

アクサダイレクト生命は、今回の調査サイト中では第3位のオーガニックトラフィックを獲得しています。オーガニックトラフィックはライフネット生命の約半分ですが、数字だけ見るとその差は133.6Kと、決して差が開き過ぎているという訳ではありません。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

アクサダイレクト生命は、オーガニックでクリック率の高いキーワードには指名検索が多く、上位を占めています。「生命保険」「死亡保険」など、生保としてオーソドックスなキーワードで流入を得ている点はライフネット生命と同様ですが、それ以外にも「アクサダイレクト生命 + 保険名」で多くのトラフィックを獲得している点が特徴です。

アクサダイレクト生命は、有料トラフィックでも指名キーワードが多くなっていて、ネット生保業界での確かな立ち位置が伺えます。

楽天生命はローカルキーワードで有料広告を多く打っている?

サイト規模

・オーガニックトラフィック数…83.9K

・有料トラフィック数…13.8K

楽天生命はネット専業生保の中では決して高いオーガニックトラフィックを獲得しているとは言えません。しかし、被リンク数はネット専業生保の中では多く、482.8Kという数値はライフネット生命が獲得している被リンクの約13倍です。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

楽天生命でオーガニックトラフィックが多いキーワードの中には、指名キーワード・各種保険の名称以外に「20代 生命保険」など、年代を含むキーワードが散見されます。

有料トラフィックに目を向けると「県民共済」「府民共済」と行ったキーワードに加え、神奈川・大阪・福岡など、全国の主要な都道府県を含むキーワードが多く存在するのが特徴的です。

SBI生命は被リンクの数値が突出している

サイト規模

・オーガニックトラフィック数…27.2K

・有料トラフィック数…3.3K

SBI生命はオーガニックのトラフィックの数値こそ高くありませんが、ライフネット生命に並ぶドメイントラスト、今回の調査サイト中トップの被リンク数を獲得しています。

しかし、ページトラストは最も低い数値ですので、被リンクの質に問題があるのかも知れません。

流入キーワード

<オーガニックキーワード>

<有料広告キーワード>

SBI生命でオーガニックトラフィックを多く獲得しているキーワードの中には、ネット生保としてスタンダードな単語以外に「500万 運用」など、資産運用に関するキーワードも見られます。

有料広告で上位を獲得しているキーワードに目を向けた場合「うつ病 保険」など、精神疾患に関する語句も浮上しています。

ネット生保各社が採っている集客施策とは?

ライフネット生命は導線設計の完成度の高さが光る

ライフネット生命はオーガニックトラフィックが業界1位となっていますが、ユーザーの流入先を見るに「生命保険の選び方のコツ!」などの記事コンテンツも影響している可能性があります。

ライフネット生命では、ユーザーの疑問を解消するための記事コンテンツをいくつも用意していて、オーガニックトラフィック上位キーワードの繊維先のいくつかは、この記事コンテンツのページとなっています。



前述のJA共済の資料によると、ライフネット生命がネット生保業界に参入したの2008年と古く、業界中2番手です。ポータルサイト上の充実したコンテンツ数からも、ネット生保としての歴の長さが感じられるのではないでしょうか。

しかし、ポータルサイトトップから記事コンテンツへの遷移手段としては、ページ下部に小さく設けられているボタンのみとなっています。

ポータルサイトのトップページでは、無料見積もりや保険診断へ遷移するためのボタンが大きく目立っており、全体の構成からも、まずはそちらへの誘導を重視している可能性があります。

特に、10秒見積もりに関するボタンはスクロール中も画面右下に固定されている点から、新規顧客の獲得に比重を置いた方針を取っていると考えられるでしょう。

さらに、ポータルサイト上の「ライフステージ別おすすめ加入例」を見ると、ライフネット生命のメインターゲットは20代後半から50代の現役世代であるとも推察できます。

また、ライフネット生命のポータルサイト上では契約件数・プロからのお墨付き・保険料の支払いデータが公開されていて、より新規顧客が安心しやすい構成になっていると言えるでしょう。

 

オリックス生命のオーガニックトラフィックの高さはコンテンツ数の多さが理由か?

JA共済の「生命保険販売におけるインターネットチャネルの現状 」によると、オリックス生命のネット生保への参入タイミングは2011年と、今回の調査サイトの中ではアクサダイレクト生命、ライフネット生命に次ぐ早さです。

オリックス生命では、保険商品の名称でオーガニックトラフィックを多く獲得しているキーワードもあるとご説明しました。実際に保険商品の点数が多く、いずれも直感的で覚えやすい名称となっています。

さらに、各保険商品はそれぞれしっかりとしたロゴが作成されていて、わかりやすいキャッチコピーも添えられているなど、力の入れ具合が伺えます。

保険商品の中には、インターネット申し込み専用、対面申込専用の商品が混在しており、ネット専業生保ではないオリックス生命らしく、豊富なチャネルが用意されています。

オリックス生命は、ネット専業でないながらも、ポータルサイトの記事コンテンツや権威性は充実しているのも特徴です。

以上のことから、ライフネット生命を除くネット専業生保にオーガニックトラフィックで勝っているのも頷けるのではないでしょうか。

アクサダイレクト生命はライフネット生命との共通点多し

JA共済の発表しているデータによると、アクサダイレクト生命はネット生保業界への最速で参入した企業で、2008年4月にはインターネットチャネルを使った集客を行っています(※当時の社名はSBIアクサ生命)。

ポータルサイトトップでは、アクサダイレクト生命への乗り換えによって削減できた金額の年平均額や数千単位のクチコミなど、ネット生保として確かな実績を感じる情報が掲載されています。

これらの情報の掲載によって、初めてアクサダイレクト生命を利用するユーザーに対してもも、権威性のアピールに繋がっていると考えられます。

アクサダイレクト生命のポータルサイトのデザインには、ライフネット生命に似通っている部分も多々あります。

代表例としては「保険を検討しているユーザーと既存のユーザーで別々のチャネルを用意している」「保険選びに迷っているユーザーに向けたコンテンツ」「〇〇生命について」などのセクションです。

<アクサダイレクト生命>

<ライフネット生命>

さらには、スクロール中も画面下に常駐するタイプのチャットボットを採用しているという点にも、共通点が見られます。

<アクサダイレクト生命>

<ライフネット生命>

これは決して、どちら一方がもう一方の真似をしている訳ではないと思います。それでも、両者ともにネット生保黎明期から続いている企業だけに、何かしら意識している点、もしくは“型”のようなものがあるのかも知れません。

また、アクサダイレクト生命では自動車保険、ペット保険もセットで用意されています。この事から、ファミリー層がメインのターゲットであると推察できます。

楽天生命は他の楽天サービスとの連携が前提である可能性あり

楽天生命は、ポータルサイトの構成からも、他の楽天サービスとの相乗効果を図っていると強く感じられます。

楽天生命では取り扱い商品の多さに反して、どの保険商品を選べばいいかがわかりにくい印象があります。

しかし、商品ページへ遷移すると独自の強みやターゲット層などについて、わかりやすく設計されています。

ポータルサイトトップでの商品説明に、訴求内容が若干わかりにくい印象があるのは、トップページでは楽天ポイントの付与を優先的にアピールするためでしょうか。

また、楽天生命は多くの被リンクを獲得しているとご説明しましたが、そのほとんどは同じ楽天サービスからのものであるようです。

楽天生命のページトラストはわずか16程度と、被リンク数の多さに反して業界内でも低い数値である原因はここにあると考えられます。

SBI生命はより幅広い層のユーザーをターゲティングしている?

SBI生命は「クリック定期Neo」がメイン商品らしく、強く打ち出しています。

クリック定期は、リニューアルにあたり保険料を値下げしたらしく、その施策が功を奏してか売り上げは約2倍になったと発表されています。

また、SBI生命は抽選でプレゼントが貰えるご褒美キャンペーンを行っていますが、貰える品がどちらかと言うと女性向きに見受けられます。

 

SBI生命はトップページで「30歳」「はたらく人」「夫婦の写真」でターゲティングしていますので、メインのターゲットユーザーは結婚したて、あるいはする予定の夫婦と推測されます。

さらに、クリック定期では保険金受取人に同性パートナーも指定可能であるとのことで、SBI生命が他のネット生保以上に、幅広い層をターゲティングしていることの証左なのではないでしょうか。

SBI生命は、被リンク数が多いにも関わらずページトラストが9と極めて低いため、リンクの質に問題があるのではないかと前述しました。

実際に、SBI生命に対してリンクを設置しているサイトを見てみると、SBIグループのページが多くなっており、外部サイトからの被リンク数はほとんどないです。

ページトラストの低さも相まってか、「暮らしとお金のヒント」「SBI生命の健康サポート」「ファイナンシャル・プランニング教室」など、充実した記事コンテンツがあるにも関わらず、いまいちオーガニックトラフィックを獲得できていないのは、もったいないように思われます。

【結論】ネット生保でもコンテンツ数と導線設計が重要

ネット専業生保として多くのオーガニックトラフィックを獲得しているライフネット生命、アクサダイレクト生命を見ると、コンテンツ数の多さや丁寧な導線設計といった共通点が見られます。

充実したコンテンツとチャネルの多さに関しては、ネット専業でないながらも今回の調査対象として加えたオリックス生命も同様です。

反対に、楽天生命、SBI生命のように、同グループ内でリンクを回す施策はページトラストの低さを招いてしまっている可能性があります。

以上のことから、今回の調査サイトに限らず、今後もオーガニックトラフィックで勝ち続けるのは、純粋なコンテンツで勝負しているネット生保と予測されます。

 

<今回の調査サイト>

 

<調査ツール>

 

<参考>

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